テネシー州出身の黒人女性監督レイヴン・ジャクソンの長編デビュー作。A24製作。
1970-1980年代。ミシシッピー河流域で暮す黒人女性マック(マッケンジー)の生涯を4人の女優が演じていますが、その物語を追うというよりも、
大地、川、沼地、泥、雷、雨...
手、指、肌の触感...
記憶、継承、輪廻、循環、愛...
といった豊かな地球に包み込まれていくような、美しい“映像詩集”のような作品。
ふと、子供の頃、近所の沼でザリガニを獲っていた時の土の感覚が蘇りました。土いじり、まったくしてないなぁ。
『All Dirt Roads Taste of Salt』は、以前監督が書いていた詩とのことで、祖母からマックに語られるシーンなどに出てくる「土食」がモチーフで、この“映像詩集”にふさわしい味わい深いタイトルと感じます。
