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52ヘルツのクジラたちのニタのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.0
…昔住んでいたところで、虐待が疑われるお宅について通報した経験があります…
結果的には問題がなかったとされ、しばらくしてそのお宅は越していかれました。
匿名といっても通報はごく近隣の人間に限られたこともあり、越すまでの間、一家は我が家に冷たい態度でした😞
そりゃそうだよなと感じたことを思い出しつつ、映画の中のなーちゃんを見てました。なーちゃんじゃないみたい❗️(誉めてます👏そしてご結婚おめでとうございます💒)

原作に心を掻き乱されたというフォロイーさんのお話を聞き、自分も一気読みしてから行きました。世界観の下地ができ、とても良かったと思います😊

身体と心を軋ませながら生きていこうとするヒロインに杉咲花。カメラが寄るすっぴんシーンに耐えるお顔の透明感。
特にアンさん(志尊淳)に道で助けられた直後の放心した顔つき(あれだけで恋に落ちそう…)


内包されたテーマは大変重く、切ない。
何層にも重なってゆくやり場のない気持ち。
生きていく覚悟(幸せを掴む権利)を決める道半ばにあるヒロインが、別の人間の人生に関わろうと心を砕く。

重厚感は原作が映画のそれを上回るとは思うが、映像化したことによるアンさんの苦悩、とりわけその母親役の余貴美子の思いが可視化。手にかけたロザリオが物悲しい。
子供への愛情は疑いなく存在するものの、戸惑いと受け止めの熱演(原作では無理解ぶりが一層哀しみを際立たせるのだが)。

一方で新名役を演じる宮沢氷魚はちょっと清潔過ぎた😅(氷魚くんは貴公子ぽい✨)
執拗にヒロインに固執する病的感をもっと出してほしかった! (なぜあそこに移り住むことが可能になったのかの描写は映画にはないので)

あと美晴役、朝ドラ"カムカム"のきぬちゃんだぁ❗️と思ってなんだか笑顔をもらいましたが、私のイメージでは深川麻衣(に演じてほしい)!!なんでかって言われても何となくですがw
小野花梨ちゃんのほんわか感もいいけど、容赦なくヒロインと向かい合えるタフな面をもっと見たかった。
これは親友との物語でもあったから。
ここまでの親友なかなかいない。

自分の"声"を聞いてくれる誰かと繋がる可能性に希望を託した1本‼️🐳
ニタ

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