菩薩

キエフ裁判の菩薩のレビュー・感想・評価

キエフ裁判(2022年製作の映画)
-
ナチスドイツがウクライナ人民を下等民族と見做し残虐の限りを尽くしたのと同様にソ連の中央政府もウクライナを同列の存在と見做してはいないであろうに、我が子可愛いやとでも言う様にウクライナの首都であくまでソ連のルール・ソ連のやり方でソ連の軍人が勝者の気概を持って一方的に敗者を断罪し群衆もそれに対しまさに鬼の首を取ったかの様に狂喜する。何かを覆い隠す為に、また何かしらの絶対的な結論をつける為に、完全なる形式として執行される一連の流れ。戦争を前に人はどこまで残酷になれるか、また冷静でいられるか。決して終わりの光景などでは無く、現代の混迷と地続きの凡庸の悪の種がここには撒かれている。
菩薩

菩薩