なおスコア高め

DOGMAN ドッグマンのなおスコア高めのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ケイレブさんは何となく、危うい人物を演じるイメージがある
だけど憎めないというか、目が離せないというか
今回の映画で確信しました
私はこの、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズという俳優さんのことが好きなんだ
だからこの人が演じる役が何をしてしまっても、悲しくなるばかりで嫌いにはなれないのかなって

この役も、壮絶な過去を抱えて大人になった青年で
なのに決して声を荒げず、少しだけ微笑んで
いつも寂しげで
取り調べ中に感情が読み取れたのは、タバコを灰皿に押し付けるその強さからだけだった

都合良く神の名を唱える兄が、犬小屋に掲げた横断幕
それを小屋から見た主人公には、DOG MANと読めた時
何だかゾクッとした
髪も伸びきって大の字に倒れた姿は磔にされたキリストのように見えた
それは、ラストにも通じた

“ 人間の持つ美徳の部分は、犬は全部持っている ”
彼の愛は全て犬へと注がれ、そして犬から返って来る
その分だけ、彼は生きられる

困り果てた彼が行き着いたバーで、ドラァグクイーンたちが優しくて嬉しい
持てる力の全てをかけた初舞台のエディット・ピアフに、久し振りに震えるほど心が動いた
このシーンがもう一度、どうしても観たい

(ドラァグクイーンのショーは、本物の歌手の歌にあわせてクイーンたちが演じるスタイルが基本なので、歌はエディット・ピアフなんじゃないかな?)