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夜空に星のあるようにのsonozyのレビュー・感想・評価

夜空に星のあるように(1967年製作の映画)
3.5
ケン・ローチ監督の初長編作。
ロンドンの労働者階級の家庭(母は大酒のみ・父は女たらし)出身の18歳のジョイ(キャロル・ホワイト)の、泥棒稼業のゲス夫トムと幼子ジョニーを抱えての困難な生活が描かれます。

夫トムが刑務所入りとなり、その孤独と不安に耐えられず、すぐにトムの仲間の一人デイヴ(テレンス・スタンプ)と過ごし始め、トムにない優しさや愛情を感じ恋に落ちるジョイ。
音楽をドノヴァンが担当していて、このジャケ写にある、ジョイとジョニーとの幸せなひとときにギターを爪弾くデイヴはドノヴァンの「Colours」という曲を歌います。
しかし、デイヴも結局は泥棒稼業・・・

ケン・ローチ監督らしいテーマではあるものの、男好きのするおばかちゃんキャラのジョイが、“この年で人生詰んじゃってるかもだけど、どこかで幸せをくれる男と出会えるかも”的な儚い夢まで捨てるほどにはならないので、以降の作品のようなヒリヒリするような痛みや緊張感はそこまで強くないんですが、可愛いジョニーくんのこれからを考えるとやはり・・

どうしてこうなった的な(笑;)妙にポエムな邦題になってますが、原題は『Poor Cow』で同名の小説が原作。
Poor Cow = 可哀想な/哀れむべき女(Cowは女性を軽蔑的に表現)という意味のようです。
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