家族を血縁か、共に暮らした年月云々だけで定義せずに描いている。
重なりやすれ違い、変化と不変、両価的な感情が散りばめられ、誰かの声を別の誰かが代弁する場面も少なからずある。楽しく明るい場面も多い中、時に誰かの想いの現れが結構深く差し込んでくる。感情や言葉を突き合わせなかった空虚さや、強くぶつけることによる痛みが染みるのは、作り手、演者の力によるところも大きいのだと思う。
登場人物たちの世代のどこに自分が近いかによっても印象は異なりそうで、表現に余白を残してもいるので、リピートして鑑賞することを勧めたい。
特に若い人には主人公たちの親世代になった時にも、と思う。
稔や岳大の親世代の感想。鑑賞3回。
