このレビューはネタバレを含みます
杉咲花さんの演技が衝撃的でした。
口数は決して多くないけれど、その表情だけがなんとも言えなくて良い。
もともとは戸田彬弘さんの旗揚げ公演作品として書き上げたものが原作だそうで。
『川辺市子のために』と続編の『川辺月子のために』の2作品、舞台でも観てみたいなって思いました。
映画自体がとても奥行きのある作品で舞台じみた演技もみられなかったので…どんな演出で作られたのか、とても気になりました。
始まりがとても謎だらけな『市子』、次第に家族や取り巻く環境が見えてくるのですが本当につらい。
虐待/ヤングケアラー/『月子』のこと/無戸籍、と思い出せるだけでも壮絶な、市子の半生。そんな中で幸せを求めていく姿が印象的でした。
ラストが特に、なんとも言えない。
市子は再び罪を犯したのか。
犯罪はいけないことではあるけれど、市子だけはどうか幸せでいてほしいと願ってしまう…痛みだけでは終わらない、観てよかったと思える良い作品でした。
