Gentaramone

ジョー・ブラックをよろしくのGentaramoneのレビュー・感想・評価

4.5
人生について考えさせるような、深いセリフが散りばめられたちょっとファンタジックで良質なヒューマンドラマ。序盤でスーザン(クレア・フォーラニ)とジョー(ブラット・ピット)が出会うコーヒーショップ。心理描写や会話のテンポがよくてなかなかいいシーンだったので、その直後のハプニングにはびっくり。しかし、そこから先の展開はわりと落ち着いていて、ストーリー展開よりもセリフと言葉の意味を咀嚼しながらじっくりと観ることができた。

スーザンの父であり、この作品のキーパーソンであるビル(アンソニー・ホプキンス)には最初から最後まで魅せられた。時には感情的に、時には人生を悟ったような人格者になる彼は、作品の中で一番魅力的な人物だったと思う。若い頃のブラット・ピットを見ようと思って見始めた作品だが、わりと最初の方でアンソニー・ホプキンスの方に魅力を感じ、心を持って行かれてしまった。

スーザンとジョー、主人公でもある2人の恋愛模様はもちろん煌びやかで、後半に切なさも凄く感じたが、意外と印象に残っているのは長女のアリソンと旦那のクインス。この人情味溢れる夫婦はなかなか親近感があった。アリソンが一生懸命に父親ビルの誕生日パーティーを企画していたのに、直前でビル本人に心ない言葉を言われ傷ついて泣いてしまったシーン。これにはさすがに「そりゃないよビル!」と心の中で叫んでしまった🤦 しかしこの時のクインスのフォローがまたよく、ビルの部下ではあるが妻への気遣いを感じ、彼への共感度が爆上がりした。

見どころは本当に色々あって、小説をパラパラ読み返すように部分的に振り返って見直してもよさそうないい作品でした。
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