映像は贅沢で、"ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠"や氷上作戦など、印象に残るシーンも多い。ホアキン・フェニックスの熱演も認める。たくさんの人間が死んだけど、結局何が言いたいのかな。いまいち釈然としなかった。
個人にフォーカスした時には"夫婦の微妙なパワーバランスの上に成り立つ愛憎"も入れていいとは思うが、想像に難くない支配と従属と依存の関係で、目新しさはなく、ドラマとしての比重の置き方に魅力を感じない。まさか、これが一番伝えたいことじゃないよね？
それより、没後200年余り経った今、ナポレオンやあの時代の正と負の遺産を、リドリー・スコット監督がどう捉え、私達に何を伝えたいのか、映画を通して感じたかった。
