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ナポレオンのメルのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.8
リドリー・スコットが描くナポレオン。

先日「首」を観たばかりの私としては、マリー・アントワネットの斬首から始まる今作は、「こっちも首⁈」となった。

20代から亡くなるまでをホアキン1人で演じているので、前半は顔に影を落としたりして余り年齢が出ないようにしていたが、後半戦争続きで疲れが出始めたり辺りの雰囲気は中々リアルで良かった。

浮気三昧の年上の妻ジョセフィーヌとは、権力大好き!という点で似た者同士だったのでは…と思うが、「私がいなければ貴方はただの男」なんて言われてあっさり納得しちゃうナポレオンは笑える。

多分にマザコン感があって、母親に甘えられなかった分をジョセフィーヌに求めたのかも知れない。

世界史で名前しか記憶になかった「ワーテルローの戦い」や氷上に砲弾を撃ち込んだ「アウステルリッツの戦い」は見応えあり。
久しぶりに見たルパート・エヴェレットのウェリントン公爵が良い感じでした。

ナポレオンお抱えの絵師ダヴィッドの絵画が色々残っているので、どうしてもその絵の再現に見えてしまう戴冠式は複雑な感じだったが、当時とても流行ったとされるエンパイアドレスが美しく再現されていたのは良かった。

ドルビーアトモス版しか時間が合わず仕方なくそれにしたのですが大正解!
ナポレオンの息づかい、衣擦れの音、戦場の臨場感、オーケストラの音楽がとても重厚感があり、エンドロールまで素晴らしかった。
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