社会のダストダス

僕と幽霊が家族になった件の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)
4.6
笑って泣ける冥婚コメディ

ラノベみたいなタイトルから、ハリウッドのヤングアダルト原作作品みたいな出来を想像していたら、これは面白い!久々にわき腹痛くなるくらい笑った。そんでもってラストは普通に泣きそうで去年の『CODA』みたいに情緒不安定になった。

台湾の文化に対してある程度知っていた方がより面白かったのかもしれないけど、細かいことは分からずとも何となくの雰囲気で楽しめた。題材としては台湾の古くからの風習とLGBTQを絡めたものになるけど、それが混ぜるな危険!にならず清々しい作品に。

事件捜査中に祝儀袋を拾った警察官ウー・ミンハン(グレッグ・ハン)はひき逃げ事故で亡くなったゲイの青年マオ・バンユー(リン・ボーホン)と死後結婚(冥婚)することになってしまう。ゲイが苦手なウーはマオのちょっかいに悩まされながらも、彼を成仏させるためにひき逃げ犯を探したり、シロクマを救ったり、彼の元カレに凸したりする話。

「Come with me… Come with me…」のBGMが何か癖になる、ウホッ♂。ゲイに対して偏見を隠さないウーもそれほど嫌味な描写ではなく、そもそも台湾では同性婚が認められているので、そんな彼に対して周りからの風当たりが強いくらい。ウーは前世ではマオの飼い犬だったらしく、何だかんだで飼い主の意向に従っていく。

『返校 言葉が消えた日』のワン・ジンも主人公の相棒役で登場、めちゃくちゃお美しくなられている、逮捕されたいなり~♡わたくし、もし明日死んだらワン・ジンちゃんと冥婚を結ぼうと思います。ウー刑事とのクライマックスでのやり取りは今年一笑った。

グレッグ・ハンの良い体♂、リン・ボーホンの爽やかさ、ワン・ジンちゃんの憎めなさ。これはきっと、ノンケにもゲイにもスケベにも刺さる傑作。