社会のダストダス

碁盤斬りの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.2
割と邦画を観ているつもりでも時代劇って案外観てないと気付いた。実際公開されている作品は結構あるのかもしれないけど、コメディっぽいのが多くて何となく微妙そうなの多かったので、記憶を巡らしてもここ数年で『首』くらいしか観てない気がする(でも、これもコメディか)

草彅剛の『ミッドナイト・スワン』ぶりの主演にして、今月2作目の清原果耶様の出演作。時代劇としての一定の風格を保ちながらも、思ってたよりもエンタメしている内容で、豪華出演陣、作り込まれた江戸の街並み、アクションシーンなど目に贅沢な作品だった。

故郷を追われ江戸の貧乏長屋でひっそりと暮らす元藩士の柳田格之進(草彅剛)と娘のお絹ちゃん(清原果耶)。旧知の藩士より、冤罪事件が証明されたことを知った格之進とお絹ちゃんは復讐を決意する。

草彅剛の月代(さかやき)ヘッドが違和感無さすぎだし、流浪中に日数の経過でほとんど芝生頭になってしまうところなど、ハゲ散らかし方がリアル。同じ流浪の身であるはずの斎藤工はワイルドさと比例してエロさが増しているのに。

清原果耶様演じるお絹ちゃんの美しさに見惚れる。命懸けで仇を見つけ出し本懐を遂げんとする父の覚悟に報いるため、借金のかたに自らを遊郭に身売りするお絹ちゃん。。。何と悲壮な覚悟よ…。立ち姿といい、所作といい、凛々しさと上品さが天井破り。はぁ~♡、嫁の貰い手を心配していたけど、ここに居ますよ劇場の4列目に!50両は無理だけど、五臓六腑を売っ払ってでも何とかします。

囲碁が縁で格之進と交流を深める萬屋の源兵衛に國村隼、お絹ちゃんを差し置いて一番ヒロインムーブしているトキメキおじさん。

ちなみに囲碁は全くルールを知らなかったけど特に問題はなかった。2時間あっという間だったし、体感時間では今年最速だったかも。めっちゃ雑に例えるなら、『たそがれ清兵衛』×『クイーンズ・ギャンビット』みたいな感じかな。

とはいえ、そこそこモヤるところもある。

あれだけ清廉潔白であろうとする頭でっかちのデコスケ格之進なのに、お絹ちゃんを置いて無責任に自害しようとするなど何事か!そこに直れぃ!!わしが打ち首にしてくれるわぁぁぁー!!!