よく言えば塚本版『ゆきゆきて、神軍』であるしスラムダンクで言えば8巻、ワンピースで言えば59巻であるが、あくまで『野火』の補遺として意味をなす映画であると思うし、内容的にも散々擦り倒されてきたもんを尚も擦り倒すか！レベルのものでしかない。それでも三者三様（ないし四者四様）の演技は素晴らしいし、90分をあっという間に駆け抜ける吸引力はあるが、全体的にだいぶインパクトに欠ける。まぁそもそもがエンタメになる様な主題でもないからしょうがないのだが…塚本晋也の真摯な姿勢が良くも悪くもモロに出ている。日本が本当の意味で戦後PTSDから抜け出るまでには後何世紀かかるか、少なくとも自分が生きている間には成し遂げられそうもない。
