ドント

ほんとにあった!呪いのビデオ102のドントのレビュー・感想・評価

-
 2023年。中村義洋監督による「100」が絶賛公開中、四半世紀をひた走るほん呪102巻は通常営業でお送りします。怖いモノ自体より、それまではしゃいでいた人たちがひたり、と止まるというのが怖いですね「橋の下」。怪異は一瞬ながらむしろその後の人形にまつわるエピソードの方がおっかない「聖夜」でスタート。
 どちらもオバケ本体は怖くないけど他の部分で印象に残る。オバケ本体もおそろしければ最上ではあるもののまぁ新アプローチと考えれば結構悪くない気もする。が、オバケもその周辺も怖くないとなれば話は別で、つまり「火災通報」と「内見」の2本はそちらであった。前者の「火や煙が出ているでもないのに通報が」との部分はやや不気味だけど、う~ん小粒……
 こらへんの不満を解消してくれたのが「海を歩く足」だった。クラシックな「足だけ歩いている」の映像と見せておいて、砂浜に落ちてるそんなモン拾っちゃダメでしょ、アッつけるの? 5倍ダメだよ? となってからの再登場、そして海へと入っていく友達、必死に追いかける撮影者……この流れが大変によかった。余計な因果因縁がついて回らないのも好印象だし、漁師のおじさんも実在感が強く、なんというか全体にリアルでグッドなのだ。
 長編「鬼女の山」は単なる謎の声と影から山へと導かれ、山人や因習や呪われた血、そういうものの匂いが徐々に強くなっていく。まだ導入といった案配なので見守りたい。しかし「古いフィルムカメラの映像を、さらにビデオカメラで撮影したもの」にしては綺麗すぎたり、廃墟で覗く顔が一瞬かつ小さすぎてようわからんなど難点も多い。しかしまぁ見守りたい。あとスタッフの男鹿くんが祟りや呪いなどではなく「太りすぎてドクターストップ」で戦線離脱したのには、悪いとは思いつつ少し苦笑してしまった。お大事になさってください。人生も心霊も健康第一です。
ドント

ドント