ダンサー イン Paris
幼いころからバレエ一筋で、パリ・オペラ座バレエでエトワールを目指すエリーズ。しかし夢の実現を目前に、恋人の裏切りに動揺した彼女はステージで足首を負傷してしまう。
怪我によって "夢" を諦めなければならなくなり、新たな人生を切り開いていく物語は、先日観た "裸足になって" と似ているが、オペラ座の現役ダンサーであるマリオン・バルボーをはじめ、本物のダンサーが演じているからか、こちらの方が説得力がある。
都会的なパリの街並と自然豊かなブルターニュ、美しさを極めた "クラシックバレエ" と躍動感溢れる "コンテンポラリーダンス" の対比。両方の魅力が効果的に取り入れられ、特に冒頭と終盤のそれぞれのダンスシーンは圧巻で、これらを観るだけでも価値あり。
ダンサーによくある "ふとした瞬間に踊り始めてしまう" ところも自然に挿入され、物語にうまく溶け込んでいた。
クラピッシュ監督の作品は何本か観ているが、どの作品も様々な問題を抱えた人々にしっかり寄り添いながら、問題を優しく解決していくので、最後は温かい気持ちになる。エリーズを演じたマリオン・バルボーの、踊ることへの喜びが表情や仕草から伝わり、ダンスだけではなく女優としての演技も素晴らしかった。
