Hike

ダンサー イン ParisのHikeのレビュー・感想・評価

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)
4.5
主人公・エリーズのバレリーナとしての挫折、そして温かな人々との関わりを通じて回復するまでの人生を描いた作品。

良くも悪くも形式の決められたクラシックバレーの世界から、自己表現を重視するコンテンポラリーへと第2の人生を歩む姿からは、「型」にはまった人生に捉われず、自分の感情・視点から新しいチャレンジへ目を向けて、一歩を踏み出す大切さを考えさせられます。

合わせて、本作には相互ケアというテーマも含まれていたように思う。特に療法士のヤン/アーティストに向けて宿を営むジョシアンヌとの関わりは、心身のケアだけでなくエリーズ自身の世界で狭まっていた視野を広げる機会にも、またエリーズの行動と活躍は、周囲の人々への希望や人生の肯定にも繋がっていた。

所々にユーモアを交えた脚本、躍動感あふれるダンサーの演技、オープニングからエンディングまで手を抜かない演出まで。ヒューマンドラマとしてもエンターテイメントとしても素晴らしい作品でした。
Hike

Hike