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ラブ&ポップのかのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
2.5
ぐわんぐわんと揺れるカメラに魚眼のようなパース、極端な煽りや俯瞰を多用したアングル。

ハンディカムで撮影することで女子高生の一人称的な視点から等身大の渋谷という街を描こうとした、という意図は伝わるが、必然性を感じない思いつきで入れたような不可解なショットがあまりに多く、ホームビデオをツギハギしてそれっぽく纏めたかのような印象を受けてしまう。つまりは安っぽい。

これを多感な時期の女の子が孕む特有の危うさや脆さ、不安定さを表現したものだと肯定的に捉えることもできるが、普通からいかにズラせるかを狙いすぎるあまり、手法そのものが目的になってしまったように思えてならない。

いかにも村上龍的な群像の描き方に興味深いものはあったが、ここまで気を衒ったカメラワークは果たして必要だったのか。
確かに“庵野監督っぽさ”を感じることはできるが、こうも画の主張が強いと胸焼けしてしまう。
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