クリーム

ザ・フォーギブン 襲撃地帯のクリームのレビュー・感想・評価

3.8
ニュージーランドでも他の国と同様に先住民が迫害され、権利を奪われていた。物語は、先住民の目線で描かれているので、政府は否定してるらしいですが、明らかに人種差別に観えました。何処まで本当なのか解りませんが、知らない事件だったので、勉強になったし興味深い内容でした。

2007年にニュージーランドのルアトキ集落で起こった実際の事件を基に描かれます。先住民マオリ族の村に首相暗殺を企むテロリストグループがいると睨んだ警察の特殊部隊が村を襲撃し、思わぬ誤解から暴力の連鎖が始まるのでした。



ネタバレ↓



ルアトキ集落で、首相の命を狙った反政府テロリスト·タメが潜伏し、軍事訓練をしているという疑惑から警察は集落全体を強制捜査。警察の目的は先住民マオリ族の文化·人権擁護の活動家タメ·イティの逮捕だったのだが、怪しい住民やタメと親しい者を強制逮捕して行く。そんな中、お騒がせで、尖った青年が目をつけられ、警察と揉み合い。発泡事件を起こす。これは、青年ではなく亡くなった当人による誤射だったが、警察は青年の仕業と思い、逃げる彼の肩を撃った。叔母が青年を車で両親の元に連れ帰り、4人で村の医者の元を目指します。村の巡査部長タフィ·ウィリアムズは警察と村民との間で、懸命に誤解を解き、人命を守ろうとしますが、警察は彼もタメの仲間とみなします。事件を知ったタメは、自ら逮捕されに現れます。
結局、テロ活動など無く自分達のアイデンティティーを取り戻そうと言うただの集会でした。警察側のリーダーは、逃げている青年を探す為、ヘリで部下とタメ、タフィを乗せタフィに青年の居場所を吐かせ向かいます。彼らの車を見つけ、青年の命を救う為、威嚇射撃を部下に命令しますが、部下は運転手をわざと撃った。更に撃とうとした彼を阻止する為、タフィはその男ごとヘリから落下します。タフィは亡くなりましたが、部下の男がその後も彼等を殺そうとするのを全員で止め、青年は手当てを受ける事が出来ました。そして一連の騒動に終止符がうたれました。
2007年実際の警察襲撃の際、逮捕された活動家タメ·イティが本人役で出演しています。

監督もマオリ族の血を引くテアレパ・カヒ。何処までが本当なのか解りませんが、他の国の先住民族同様、迫害され文化や言語等を奪われ、自分達の権利やアイデンティティーを守ろうと言う運動をしたらテロリストと言われ逮捕されるなんて呆れるし、許せません。こう言う歴史は、やはり世界に発信して沢山の人が知るべきだと思います。そして、少しでも良い方向に前進して欲しい。
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