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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズのnetfilmsのレビュー・感想・評価

3.6
 前半部分の流れにこれはひょっとしたらと思いながらも、終わってみれば今回もやっぱりひょっとしなかったねというのは私のブラムハウス・プロダクションズ映画あるあるで、A24が圧倒的なアート映画とホラー映画の1強に輝く一方で、主にティーンから40代までの俗悪なグラインド・ハウス映画を求める白人層に圧倒的な支持を得るのがブラムハウス・プロダクションズ映画で、低予算でかつて大ヒットした映画を今風に調理し、現代的な風刺を込める作風はA24までは圧倒的ではないものの、ある一定数の支持を得ることには成功している。ジェネリック薬品ならぬジェネリック映画で、ワンチャン当てられればどんな汚い手でも使う。そんな山師的で劣悪で有名なブラムハウス・プロダクションズ映画の最新作は思いっきりニコラスケイジの『ウィリーズ・ワンダーランド』の後発ジェネリックで、思わず「うわっ」と思ってしまった。スクリーンの中で起こる出来事よりも、『ウィリーズ・ワンダーランド』が流行ったから堂々とパクりました的な悪びれなさに、お前にプライドはないのかと。

 然しながら世界的人気ホラーゲーム『Five Nights at Freddy’s』の映画化は最初のゲームの始まりの時期を確認してビックリしたのだが、信じられないことにニコラスケイジの『ウィリーズ・ワンダーランド』の方が後発だった。つまり『ウィリーズ・ワンダーランド』は『Five Nights at Freddy’s』の人気をキャッチし、原作者の許可も取らずに勝手に『ウィリーズ・ワンダーランド』を作ってしまったのだ。つまりここではいつも俗悪な映画を量産するブラムハウス・プロダクションズ映画の方が『ウィリーズ・ワンダーランド』にしてやられた印象で、自分たちのやり方を別の会社にやられた印象しかない。然しながらブラムハウス・プロダクションズ側はしっかりと人気ホラーゲーム『Five Nights at Freddy’s』側に映画化権の許可を取り、『ウィリーズ・ワンダーランド』はなかったことにしてここにゼロから映画を撮る。マイク(ジョシュ・ハッチャーソン)と幼い妹のアビー(パイパー・ルビオ)とのギクシャクとした関係。夢遊病的な主人公の夢の中に侵犯する5人の子供たちの悪夢的な描写こそが『13日の金曜日』シリーズ的で、現実世界に影響を及ぼすのだがやはり今作も1時間が過ぎた辺りから下手な伏線回収をする辺りが肝で、2時間緊張感を維持する粘り腰は感じられない。
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