ゆめちん

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のゆめちんのレビュー・感想・評価

4.5
クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男
 
1992年に "レザボア・ドッグス" でデビューし、独特の世界観に満ちた作品を世に送り出してきたクエンティン・タランティーノ監督。その監督作品に携わった関係者たちが、彼の非凡なセンスや撮影現場での様子をカメラに語る。
 
タランティーノの映画人としての足跡を、あえて本人は登場させず、周囲に語らせることで、その魅力をより浮き彫りにさせることに成功。9本の監督作だけでなく、脚本作 "トゥルー・ロマンス" なども観返したくなる構成が巧い。
 
タランティーノとの逸話を何とも楽しそうに語る関係者の表情を見ているだけで、"彼がいかに映画を愛していたか" "彼が皆から慕われていたか" が伝わってくる。作品の中では、一貫して "女性" を尊重し、"黒人" を平等に扱ってきたことが強調されるのが印象的。今は亡き編集技師のサリー・メンケとのエピソードには胸を打たれる。
 
ただ、タランティーノがハーベイ・ワインスタインの悪行をずっと知っていたことや、ユマ・サーマンに車のスタントをやらせ怪我をさせたことについて、さらりと触れるだけなのが少し残念。恐れずにもっと突っ込んでほしかった。
ゆめちん

ゆめちん