みむさん

Let There be Light 光あれのみむさんのレビュー・感想・評価

Let There be Light 光あれ(2019年製作の映画)
3.8
EUフィルムデーズにて。

スロバキアでの極右やネオナチの台頭を予感させるようなドラマだった。想像してたより重かった。
そして無意識に代々継承される父親の悪しき慣習・性格という意味では「The Son 息子」を思い出した。

フィクションらしいが、このドラマの息子アダムが加入していた兵士組織に似た(と言うかたぶんモデルにしたであろう)スロバキア新兵と呼ばれる民兵組織は実際にあったと観たあとに知った。

ドイツに出稼ぎに行っていた父ミランがクリスマス休暇で帰ってくると、息子アダムの友人ピーターが自殺する事件が起こり、息子の関与はないと信じる父。真実が徐々に見えてくる。

真実がどうだったのか?はもちろんだけど、たぶんこのドラマはコミュニティや親に影響を受けながら正しいことをしようと苦しむ家族の話なんじゃないかと思う。

警察や神父も悪しき慣習とコミュニティに流され信用できない中、自身の過ちと向き合い勇気を振り絞り正しいことができるのか。

そういう意味では最後はよかったように見えるかもしれないが、あの家族を取り巻く環境を考えるとあの後も困難はまだまだあるどころか絶望的な状況。

ガチの極右思考だったミランの父が終盤に発した言葉はそれまでの描かれ方を考えると意外だった。やはり父は息子を思うものなんだなと。

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