Ren

哀れなるものたちのRenのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
2024年8本目。

グロ描写に弱いため、内心ドキドキしながら鑑賞。
手術シーンを中心に前半部分はギョッとする場面が多いものの、全編渡って描かれる凄絶な性描写が原因で恐らくR18+。
普通にチ○コが映ってるから。

監督ヨルゴス・ランティモス特有の、奇怪な世界観の構築力や、斬新な色使いは見事!
鶏イヌやその逆、シャボン玉とかヘンテコな表現が盛り沢山。
白黒からカラーへ、(ベラの)世界が色を持つ瞬間にもテンション上がった。

ただ、個人的には今年本命の期待作の1本だったため、ややハードルを上げすぎた感は否めず。
ヒロインの人生を描くためには必要との声は分かるものの、ダンカン(マーク・ラファロ)とのくだりはかなり中弛みに感じてしまった。豪華客船のシークエンスとか、同じことの繰り返し感が大きくて眠気が来た。
観る者の倫理観を試すようなラストも、その前段階である程度予想が付いてしまったのが何とも…。惜しい!

ベラを演じたエマ・ストーンはキャリア史上最高の熱演でとにかく見事。今年のオスカー候補筆頭なのも大きく納得。
マッドサイエンティストの一言では片付けられない魅力を孕んだウィレム・デフォーも素晴らしい。

同じ監督の作品では、『女王陛下のお気に入り』は超えられず。ただ、見応えは十分。
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