うさぎの森大臣

哀れなるものたちのうさぎの森大臣のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
私は自分が女であるということをおそらく人よりも強く自覚している。だからこそ、暴力的な男性性から支配されている女性に強く憐憫を掛けるし、道徳的に間違った手段であろうとそこから自立しようとする女性を無条件で応援する。物語の結末も私は支持する。

あらすじを聞いて主人公を利用する男性たちに嫌悪感を抱くだろうかと鑑賞前は思っていたが、そのような感情は抱かなかった。むしろ、男性を利用し自分の理想とする生活・社会を実現しようとするベラの力強さが気持ちいいと思った。その力強さと比較して、個人を自分の所有物のように扱い、内に閉じ込めようとする所有欲の塊である登場した男性たちのなんと偏狭なことか。

結果としてベラもそれら男性たちと同じことをするが、所有欲からくるものではなく知的好奇心からの実験をしたいというベラの興味ではないだろうか。内に内にむかってしまう所有欲は醜く感じるが、外へむかう好奇心をもつベラは見ている私をわくわくさせる。

ベラの衣装がベリキュート❣️
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