カミワザ

哀れなるものたちのカミワザのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
胎児の脳で蘇った女性。大人の体で頭脳は子供のベラ(エマ・ストーン)が世界を旅し、外の美しさと、醜さを学んでゆく、R-18指定の大人の絵本のような物語。

そもそもエッチな描写を除いても、本作のクセが強くて、一体何を見せられているんだと、頭の「?」が止まらない。
とにかく見せる映像・衣装・音楽が斬新で、これまでにないというよりも独特。
舞台なんか中世のようで未来的。スチームパンクな世界観。
といった面では、どのシーンも新しく映るので、これ何?と思いながらも気づけば作品にグイグイ惹きつけられている。

エマス・トーンの演技も素晴らしく、体当たりなシーンは勿論。奇抜な行動が目を引く好奇心旺盛な子供から、いつやら大人に成長していく彼女の役のフリ幅が凄かった。
これきっと、またオスカー取っちゃうんだろうな。

対する、マーク・ラファロ演じたプレイボーイの富豪ダンカンは、とことんベラに振り回され、ボロボロに・・・と、彼の恋愛無敵役者イメージが崩れてしまった。
あと、ダンスシーンでベラの奇妙な踊りに、軽快なステップでログインしてくるお茶目なマーク・ラファロがお気に入り。

ベラを生んだ、天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)もかなりのクセキャラで、ここは語るとキリが無いところですが、例えば、ベラが冒険をしている中、その頃ドクターゴッドは・・・のナニコレ?なシーンはどれも面白い。

といた感じで、レビューでは語りつくせない仕掛けが満載。
ほんと奇妙な作品でありながら「作品のあれもこれも語りたい」って、見所が多い点が傑作と評価されている理由なんだと思います。
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