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哀れなるものたちのhirobeyのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
フランケンシュタインの女性版というふれ込みとフィルマの評価が高かったので、時間を作ってサクッと劇場で鑑賞。
好評価の割に大きなスクリーンには掛かっていなくて何故かな?という疑問もあったが、R18指定に納得。
ひとりの女性の成長の過程が描かれているロードムービー。

カラーパートとモノクロパートの意味は、単に過去と現在ということでも無いようで、監督のこだわりがありそう。こだわりといえば、衣装や装飾品なども素晴らしかった。エンディングの背景写真も意味深。

女性が自立するこの時代の一つの選択肢として、娼婦、娼館がしっかりと描かれている。

天才外科医役のウィレム・デフォー。ブラックジャックかフランケンシュタイン博士か、演技もそのビジュアルも見事。
マーク・ラファロ演じる放蕩弁護士のだらしなさと言ったら、弱き人間そのものじゃないか。まるで自分のようだ😝

そして、なんと言ってもエマ・ストーン。惜しげもなく全部晒していて、実験体ベラを見事に演じ切った。〇〇を摘んだり、改めて女優って凄いと思った次第。好奇心旺盛で性欲も知識欲も凄まじいスピードで充していく。成長するにつれて、慈悲の心も宗教心も哲学も政治的思想までも学んでいくその変化は、スピードこそ違えど決して特別なことではなく誰にも当てはまる自然な成長なのだろう。
そう言う意味では、人は皆「哀れなるものたち」と言えるのかもしれない。
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