Taihamachi

哀れなるものたちのTaihamachiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
まずエマ・ストーンの演技が凄い。
幼児期の動きとかホンマに子供を見てるみたいやった。
ほんで音楽と映像の綺麗さ。
特に映像の方は、ベラの感情とマッチしながら進んでいってるように感じた。
事実、白黒から明けた時の空は、息を飲むほど綺麗に感じたのに、ベラの外界への興味が逸れるに連れて、空や世界観が魅力的に感じなくなっていった。
ベラ自身の成長の描き方もすごい良かった。自分自身でどう在るかの方向性を決めていくカッコ良さもあったが、それを一概にいいこととは受け取れないのが素晴らしい。
モラトリアム期の、刺激だけを求めちゃう感じとか、性を知っただけで自分が大人になったと思っちゃうところとか、ホンマに解像度が高い。
結局、ベラはずっと誰かに虐げられてきたけど、最後は自分の道を決めた。その決めた道は、自分の運命をそんなふうにしたものと同じやったのがめっちゃ皮肉。
最後まで「哀れ」に見えました。


㊗️400本目
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