けんいち

哀れなるものたちのけんいちのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1
ティム・バートン作品に性的快楽と背徳を加えてフェデリコ・フェリーニがあの世から甦って監督したみたいな徹頭徹尾アーティスティックな映画。

面白かったがその徹底した審美性と観念性をしゃらくさいと感じたりもする作品でした。

ヨルゴス・ランティモス監督作品だからきっと奇妙で摩訶不思議な映画になるのだろう。エマ・ストーンが怪演してみせるのだろうと予想して観に行ったら、本当に摩訶不思議でエマ・ストーンが怪演する映画だったので最初は少し退屈でした。

予想通りの約束された奇妙奇天烈さは楽しいが、ちょっとイタい😅最後までイタいままだったらどうしようと思ってたら、どんどん面白くなっていく。もうびっくりするほど面白くなって、話もどんどんめちゃくちゃになっていく。というかエマ・ストーン演じる主人公ベラ・バクスターがどんどんめちゃくちゃになっていってそれが痛快で心躍る。
エマ・ストーンさん、体当たりの大怪演です✨

凶暴で無垢で好奇心に満ちて性的に放埒な人造人間ベラ・バクスターの不思議な冒険が紡ぐ物語は、世界は正視に耐えないほど残酷だが絶望している暇はないと私たちを鼓舞しているようです。

有害な男性性の権化のような男ダンカン・ウェダバーンを演じるマーク・ラファロが最高に情けなくてイイ!🤣

ウィレム・デフォーの半分ふざけてるだろ?と言いたくなるメイクも楽しい🎵