ゾロ

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のゾロのレビュー・感想・評価

3.5
予告で想像できる話のまんまで
永遠の0 でも記憶にある特攻隊員の物語だが
本作は、現在の高校生が1945年に行き
特攻隊員に惹かれてしまう荒唐無稽な設定

現代との行き来等にチープさは有るが
そんな設定が吹き飛ぶ内容に思わず涙する

戦争の意味を問う代弁者が
現在の高校生の彼女だからこそ
大いに投げかける内容に胸を打たれる

それは、現代を生きていて
終戦日と敗戦を知る者の声…

戦争の意味は?
特攻の意味は?
愛する人のために?
生き恥とは?

生きたい人を否定する権利は無い…


物語の中では当事者達へ
画面越しには観客への投げかけであり
真摯に考えるべき内容



永遠の0を読了したのは、いつかな?
ハードカバーで読んだ記憶だけど
あの当時は、何故?特攻出来る?精神状態は?
メディアの洗脳?戦艦を撃沈できる訳ない

そんな思考のみで、本作の百合と同じ
敗戦という結果、戦後の復興と急成長を知る
戦争とかけ離れた幸せな日々を過ごす者の疑問

本作の彰が語る言葉にある
敗戦後の末路、畏怖と不安
敗戦を知らない恐怖と植民地の恐れ
勝つまでは終わらない戦争

 負けたらどうなる?
 奴隷になるかもしれない
 殺されるかもしれない

敗戦国になるという事の認識が明らかに違う


現在の国際情勢における日本の特異な立場は
敗戦の結果、形成されたものではない

当時の国を思う人達の尽力は計り知れないが
共産主義の台頭や世界情勢は
アメリカが覇権を握る為の
日本統治の方針に大きな影響を与えたはず
結果、日本の文化が守られたうえに
驚くべき経済復興を遂げた

これは、特攻隊員の生死は関係ないという
話ではなく、結果がそうなっただけであり
特攻隊員の人の中には、未来を生きる我々に
託したモノがあるはず

彼等が命を賭けて望んだ世界は
傷つけあう世界ではないと思う



最後、現代に戻った後に社会科見学として
知覧特攻平和会館に訪れてました
やっと場所が判明して、色々納得します

10年以上前に、行きましたが
また、訪れたいと思いました
ゾロ

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