leyla

惜春鳥のleylaのレビュー・感想・評価

惜春鳥(1959年製作の映画)
3.8
会津若松の幼なじみ5人が久しぶりに再会して巻き起こる騒動を描いた青春群像劇。ゲイ・フィルムと論じられている作品でもあり、ほのかなBL感を期待して観ました。かなりほのかです。

5人の若者と1組の男女を、会津のために若くして闘った白虎隊と重ねていて、監督の強い思い入れを感じました。

誰もが昔のままでいることはできず、青春の儚さ、友情の脆さ、大人になることの痛み…仲間のひとりの詐欺事件を通して描く(惜春=)過ぎゆく春を惜しむ5人の青春の終結。

白虎隊の舞を踊った芸者(有馬稲子)と薄幸そうな佐田啓二が共に死ぬ。青春も恋も人もいつかは終わる。残酷で美しい青春映画でした。

「友情なんて消えていく春の雲みたいなもの」というセリフがこの作品を象徴していました。
leyla

leyla