ななこ

裸足になってのななこのネタバレレビュー・内容・結末

裸足になって(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

いやーーーーーこれは………
ダンサーが自分の表現を取り戻す話、だと思ってたけど、
それよりも何重も深くて重くて強い。
映画でこんな泣いたの久しぶり。
かなり刺さった

まず、ダンサーが手話を踊りに取り入れるのがほんとに…
これまでだって身体芸術をしてきた彼女が、声を奪われて、言語コミュニケーションとして身体を使い始める。自分のコミュニケーションの手段を踊りに取り入れて、より自由に表現する。
めちゃくちゃ強くて美しくてかっこいい。

そしてアルジェリアの状況。
女性の連帯を描く映画は多くなってきたけど、この映画のそれは本当に重い。
裸足になりたかったんじゃない。
いくら立ち直っても、理不尽な絶望が本当に絶えなくて…
だからこそ世代や立場を超えた連帯があった。
そしてそんな場所で生きて、それでも(だからこそ?)、踊ることが生きることそのものである彼女の表現の力強さといったら本当に凄かった…

そして、物語を全て回収していないリアルさがまた迫ってくる。
あいつは捕まってないしダンス教室は見つかっていないし、車は壊れたままだし、おそらく望む形のショーはまだ出来ていないし、もしかしたらこの後引っ越すのかもしれないし、彼女の声は出ていない。

そんな状況で、レイクエムとして踊った彼女たちに本当にぞくぞくした。
観客は1人を除いていない。誰かに見せ認められるためではない。そんな中ただ、自分と自分が大切にしている人のためだけに全力で踊るというのが、彼女の衝動の力強さだと感じた。

そもそもまず冒頭からグッと引き込まれたんだよな。
ヘッドホン付けて踊る彼女の身体を観せる始まり、まじで良かった

アルジェリアの状況について本当に無知だから、パンフレットで勉強する。
ななこ

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