Sayeah

四月になれば彼女はのSayeahのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

愛を終わらせない方法は何でしょう
という人生で最も難しいなぞなぞがこの映画の軸。大学の頃に春、7年後に弥生に恋をした藤。弥生の答えは「手に入れないこと」だった。

大学時代写真サークルで出会った2人は、世界の朝日を見ようと旅行を計画する。だが、父子家庭で育った春への依存が強すぎる父親に計画を阻まれ、2人の気持ちは遠ざかる。出発の日空港にいた春は荷物を持っていなかった。春の気持ちだけでなく、自分の気持ちにも気付けていなかった、気付こうとしていなかった。

近付こうとして出た行動が2人を遠ざけることになる。

これは奇しくも7年経て弥生を相手にしても同じことが起きる。

精神科医になった藤と患者の弥生。幸せになると、いつかそれが終わってしまうことを想像して悲しくなって申し訳なくなって幸せになりきれない弥生。距離は近付き、短期間で家を探し、2人で住み始める。何でこんなに急いだの?という問いかけに「4月が嫌いな君に好きになってほしいから」という答えではぐらかす藤。ちゃんと聞いて答えていた内容もはぐらかすように答える用になるのがサイン。

どちらも彼はなぜ失敗したのかに気づけずにいた。

同じような経験をしたような気がした自分はずっと心がぎゅっとされた感じが続いた。

近付こうとしすぎて、離れていく。
自分の気持ちや感情に正直になれずに思いを伝えられずにもどかしいままで後悔をする。たった一度の人生、なにをビビってるのか。今までの自分を見ているようだった。

色々経て当たり前だった日常を取り戻す感じ、億男を思い出した。過去出演作品と繋がる、映画色々観てると楽しみが増えてくる。愛てゆく。

ほんとに一言では言い表せない映画。
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