ビンさん

四月になれば彼女はのビンさんのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.0
予告編を観ると、個人的に苦手な岩井俊二作品の匂いが漂っているように思えて正直敬遠(笑)していたのだが、先日、いわゆる推しの俳優さんが出演されていることを知り、それではと観に行ったでありました。

佐藤健演じる主人公は精神科医で、長澤まさみ演じる彼の恋人は、彼の元患者で獣医。
二人はもうすぐ結婚しようかという矢先、その長澤まさみが突如、失踪する。

じつは佐藤健は学生時代に、森七菜演じる恋人がいたが、破局した経験があって、それがトラウマで新しい恋ができなかった。
そんな彼の前に長澤まさみみたいな別嬪さんが現れれば、そりゃそっちへ靡きますってなもので。
でも、失踪されてまた凹む佐藤健に、お前が悪いねん、と追い打ちかける、行きつけのバーのマスター仲野太賀。

そうこうしているうちに、別れた森七菜から手紙が届く。
あ、手紙が届いたのは、長澤まさみ失踪前だったか。ここ、けっこう大事なポイントなんだけど、まぁいいや、その手紙には二人で行こうね、と計画していた南米ボリビアのウユニ塩湖の写真がイヤミっぽく(笑)添えられていた。
二人で行きかったのにい〜〜〜とまた拗ねる佐藤健であった。

長澤まさみも、人間よりも動物相手の方が落ち着く、という職業病か天性のものか、そういうちょっと面倒くさい役柄で、失踪の原因は野獣になりきれなかった佐藤健なのだろうか。

あ、映画はコメディじゃないです、シリアスな恋愛ドラマで、原作は川村元気氏。
監督は本作が長編デビューだという山田智和氏。

映画は消えた二人の女性のその行動理由と、人が人を愛することの難しさを描いていく。
森七菜も長澤まさみも、それぞれに理由があるが、結論から言えば真面目な話「男が悪い」ということ、これに尽きる。

まぁ、そのあたりは本編を観ていただくとして、ポスタービジュアルにもなっているのは森七菜が撮った、もとい、森七菜が演じたキャラが撮った、ウユニ塩湖等の写真。
ここから来るスケール感は凄いな、と思うものの、観終わった後では別に国内でも良かったのでは、なんて身も蓋もないことは書かない(書いてるやん)。
まぁ、海外ロケを敢行するところが、さすがメジャー作品たるところかな、と。

まぁ、いろいろ紆余曲折の末、この3人にどういう結末が待っているか、観終われば劇中、長澤まさみが何度も口にする、「愛を終わらせない方法」が何たるかも判るのでは、もとい、判ったような気になれるかもしれない。

映像からは岩井俊二テイストは感じなかったが、全編を彩るのは岩井作品を多く手懸けた小林武史氏のスコア。
本作でも素晴らしいスコアで彩っておられるが、ただ一箇所だけ、ちょっと不満に感じたスコアがあったけれど。
できればエンドロールもそのままスコアで通して欲しかったな。

ところで、僕の推しの俳優さん、出演されていること、しっかり確認いたしました‼️
ヒントはアイスキャンディー‼️
ビンさん

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