娘を転落死で亡くしたシングルマザー。自助グループのセラピーに通いながら心の落とし所を見付けようとするも、娘の死が本当に事故死だったのか、と疑心暗鬼から抜け出せない。
グループセラピーに参加したことはないが、よく聞く話として宗教勧誘はあるし、実際身内の不幸や心身が弱っている時に何度も漬け込もうとしてきた奴らが居た。
居らぬ神に救いを求めたくなる人がいるのも事実、だが、この母親はそうではない。
現実か否か、の境界線はハッキリしていて簡単に存ぜぬ神仏に縋ったりしない。
自分の子の事を想うと、気持ちは良く分かる。
相手がガキだろうがなんだろうが、鬼の形相で詰めても脅しても真実が知りたい。多分ガキ共を追い詰めても本当に殺そうとなんてしてなかったはずだ。ただその言い分が通るなら、子供達の言い分も通ってしまう。
我が子を追い詰めたガキ共を擁護する親達の事も許せない。むしろ本当に許せないのはガキ共よりもその親達の方だろう。自分で自分を許せないのと同じか、それ以上に、まるで子供たちの社会をそのまま持ち上げてきたような「いじめ」の構図をもっと卑劣にしたようなあの態度。
グロゴア沢山見てきてるのに、久しぶりに辛すぎて目を背けたくなった。
出産のいきみと、怒りの唸りは、どちらも愛の結果が生まれる叫びだ。
