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⾼野⾖腐店の春のパピヨンのレビュー・感想・評価

⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)
3.9
三原光尋監督は前作の「オレンジ·ランプ」(原作:山国秀幸)で、39歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症した、二人娘を持つ父親を描いています。これは本人ではなく、妻·娘たちや友人や職場の仲間·上司と、周りの人々の変化と成長に比重を置き描いていて感心しました。
そして本作品では、尾道でタカノ豆腐店を営む愚直な父(藤竜也)と、気立ての良い出戻り娘(麻生久美子)を優しく見詰めています。日ノ出前からこだわりの豆腐作りに没頭する二人を中心に、その周りには昔からのご近所さんや、それぞれに新たな出会いが訪れるのですよ。
上質なホームドラマなんて表現だと誤解されますかね、でもこれも褒め言葉のつもりです。ほのぼの系の流の中に、突如シビアな日本人の歴史が差し込まれ意表を突かれます。
こんなジャンルも自分には必要だし、やはり好きなんです。潤沢な予算を掛けたアクションやSFや歴史物やサスペンスと同じ様に必要だと思ってます。
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