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枯れ葉のパピヨンのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.0
なんでしょう この計算され尽くしたような“ゆるさ”にはやられます。
森田芳光の「家族ゲーム」にも似た世界観は “すっとぼけた”転がし方で社会の底辺に生きる人間をこれ程までに愛おしく感じさせてくれます。
ヘルシンキの街のスーパーで働く女はとても納得できない理由でクビを言い渡され 方や酒に溺れる男は工事現場で働いています。どうにも夢も希望も無いような二人の淀んだラブストーリーなのです。当然キラキラしたパステルカラーの世界でもなく特に覗きたくなるようなお話ではありませんが しっかりハッピーエンドまで持っていかれてしまいましたよ。
日本とはあまりに違うカラオケやら 不思議な魅力をみせるバンド演奏やら カウリスマキ監督には欠かせないワンコの活躍にドップリと。それといきなりラジオから流れる日本の楽曲「竹田の子守唄」にビックリと エンディングに流れる「枯れ葉」はニヤリです。
そして人類を揺るがす世界情勢も 日々の生活をギリギリで生きる女にはBGMでしかないのでしょうか?
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