かえるのエリー

北極百貨店のコンシェルジュさんのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

3.7
今日は仕事が早く終わる日。飲みの誘いは断られ、じゃぁ映画を観に行こう・・・って、凄く観たいのがないので、サクッと70分で観られる本作をチョイス。原作の漫画は未読。

ん〜〜〜〜、惜しい!!



以下ネタバレ感想



憧れのモノづくりの仕事に就きつつも、ここ数年はフッと思うことがある。自分の仕事は誰かの役に立っているのだろうか、と。特にここおおよそ1年で4回も入院し、お医者様、看護師さんの尊い仕事に触れてから余計に。

その目線で観ると新人コンシェルジュの秋乃はとっても眩しい。お客様の役に立ちたいと全力投球する姿は、この手の設定だとお約束のドジっ子を発揮しつつも、応援している自分がいる。個人的に父娘のプレゼント交換の話は、O ヘンリーの「賢者の贈り物」を彷彿させ好きなエピソードだった。最近は金券などで済ませているギフト、相手を想ってプレゼントを選ぶ感覚を忘れている気がする。

その他のエピソードもジーンとくるところはある。ただそこに絶滅危惧種や既に絶滅した動物のエピソードが入ると、本作の本当のテーマはこっちなの?と出てきた涙も引っ込んだ。しかも既に絶滅した(と作中で言い切っている)動物が来店してるとは?どういう意味??

ちなみに、私が観た上映会は時間がちょうど合ったので日本語字幕付き。その心意気は本当に素晴らしい。ただ、当然誰が喋っているかの名前表記も必要だが、まだ自己紹介していないのに先に名前が出てしまうのよね。。。冒頭、百貨店に迷い込んだ幼児に“幼い秋乃”って書かれている。いやぁ〜そこは健常者が(これは誰?)感じるように”ある少女“くらいの方がいいのでは?バレバレとはいえ。その他、なかなか正体に触れないキャラも字幕で名前が先に出ちゃってた。今後その辺の工夫をしてもらえれば、難聴者の感じ方が健常者のそれに近くなるのではと感じた。(誤解しないでほしいが決して健常者の見え方が良いと言っているわけではない)

色々ネガティブな事を書いたが、作画や色合いはとても可愛らしく、コンシェルジュ達のポジティブさに元気をもらい、そして字幕上映という文化に触れられてよかった。