なち

北極百貨店のコンシェルジュさんのなちのレビュー・感想・評価

4.5
電車遅延で上映開始(上映前のCMも終わり本当に本編開始)の1分前にシアター入りました。疲れた。

本作、正直全く知らなかったんですが、たまたま朝の情報番組で特集されてて気になったので見てきた。
なにやらお客様が動物たちの百貨店に勤める人間の女性がヒロインだと、なるほどよくわからん。


お客様は羽があったり、蹄があったり、大きかったり、小さかったり。
様々な方がショッピングにくるのが北極百貨店。
小さい頃に北極百貨店に来た秋乃はコンシェルジュのお姉さんに憧れる。
そして成長し、北極百貨店のコンシェルジュ(見習い)となった。


秋乃「お客様が困ってるかどうかなんてわからない…」
東堂「目を見ればわかる」

今の私は接客業ではないが、かつての自分を考えると…いや違う、お客様を神様なんて思ったことねえな(風俗勤務時代)
とまあ接客業やってる方みなさんに刺さるかはわかりませんが、共感できる部分は多いんじゃないかなと思います。

もちろん良いお客様もいれば、
もちろんクレーマーもいる、
そんな中でお客様が何を望んでいるか。
ただ、お客様は本当に神様なのか。
これはもうさすがに周知されすぎていることですが、店員さんの立場で“お客様は神様”というのはわかるが、客の立場で“お客様は神様なんでしょ?”と店員に食ってかかるのは違うよねという簡単なお話です。
そうですよね、お客様が神様でその神様が怒鳴り散らかしている場合、“他の神様”に迷惑なんですよね。わかります。


さらにこの作品、シンプルに接客業云々という話では収まらず、しっかり人間の自然破壊やら生き物の乱獲やらの風刺をしている。
北極百貨店ではお客様は動物や鳥など様々、それに対して店員は“人間のみ”となっている。
作品の中には絶滅危惧種や絶滅種の動物が登場し、何年に絶滅したなどのセリフもしっかりある。そして北極百貨店で人間が働いている理由は、乱獲などによる絶滅種に対するせめてもの償いだと。
うーんなるほどね、そんなに優しい話じゃなかったらしい。

70分の短めアニメーションだけど、とても素敵なものが詰まったよい作品だった。

私も秋乃さんみたくあれだけ人を思える人間になりたいな、と思った(たぶん思っただけ)
なち

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