スワヒリ亭こゆう

愛にイナズマのスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

石井裕也監督の最新作を観てきました。
松岡茉優さん、窪田正孝さんは二人とも映画とドラマでバランス良く活躍していて良作に出演していますね。これだけ魅力的な俳優さんなら当然かもしれませんね。
直近だと『最高の教師』の松岡茉優さんがとても素晴らしかったです。
窪田正孝さんは『スイート・マイホーム』が良かったですね。

そんなお二人を主演に迎えた本作は、コロナ禍の時代の話です。
コロナでなかなか撮影が困難な時代に映画監督として映画を撮ろうとしている折村花子(松岡茉優)を軸にしたストーリー。このコロナ禍だからこそ映画にしたいというのは作家なら誰でも思うと思います。石井監督からの映画を通したメッセージが込められた作品だと感じました。
新人の映画監督・折村花子が制作スタッフからの新人監督に対しての理不尽な扱いは石井監督の自身の体験かもしれません。
映画監督は映画に於いて神様だと思うのですが、新人時代は制作スタッフ・プロデューサーなどの要望が強く拒めずに悔しい思いをしたのかなぁと思いました。
花子が撮りたかったのは自分の家族の話。その映画の監督を理不尽に降ろされ、自分の家族の話を勝手に作り変えられる悔しさから、実家に帰り家族を撮って映画にする。
映画好きなら胸熱な映画讃歌のストーリーになっているのが僕は良かったです。

花子と舘正夫(窪田正孝)と運命的に出会い、正夫も花子の実家に行って一緒に映画を撮る。
父親に佐藤浩一さん、長男・池松壮亮、次男・若葉竜也。この家族の話も面白かったです。
チャプター毎に分かれたストーリー構成になっていて、家族の話になってからはガラッと映画の雰囲気も変わり面白くなっていきます。
そこからは家族讃歌のストーリーも良かったです。

花子が飛び降り自殺をしようとしている現場に出くわして、野次馬の言葉をめぐった映画のスタッフとの会話も印象的でした。
飛び降り自殺をしようとしてる人に野次馬の向かいオッサンが「早く飛べ」みたいな事を言ったのを、第三者に話した時に全く信じてもらえず、そんな奴はいないっていうのが面白かったし、良くわかるエピソードでした。
突拍子のないエピソードって頭に描けない時点で笑えないんですよね。
あの理不尽なんだけど、それを分からせるのは無理あるなぁと思って面白いエピソードでした。
家族みんなで赤着てるのも面白いです。

それと個人的な話ですけど、花子の実家が僕の地元でめちゃくちゃ嬉しく思いました。
映画で観るとあまりキレイな海ではないなぁと思いましたね😅

観ると元気を貰える作品だと思いました!
お見事ですね😊