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Winter boyのKUBOのレビュー・感想・評価

Winter boy(2022年製作の映画)
3.6
今日の試写会はフランス映画『Winter boy』 。

大好きだった父親の死を受け止められずに苦しむ、少年の不安定な心の日々を描いた作品だが、これは監督のクリストフ・オノレの自伝的作品だ。

極端なアップを多用する。スクリーンがほぼ顔で埋まるほど。

また台詞もあるのに、主人公の気持ちを伝えるのにモノローグをボイスオーバーで重ねる。

主人公を演じたポール・キルシェくんは新しいスターになるだろう。矛盾を抱えたナイーブ過ぎる少年の役を圧倒的な存在感で演じた。

すぐキレるけど泣き虫で、LGBTQだけど「愛」はまだわからず「憧れ」だけで、SEXへの興味は我慢できない、美しすぎる少年リュカ。

ポスターの少年の顔を見て、どこかで見たような気がしていたが、なんと母親が『トリコロール/赤の愛』のイレーヌ・ジャコブ! そっくりじゃない?

母親役は名女優のジュリエット・ビノシュ。

父親は、なんとクリストフ・オノレ監督自身が演じている。

高校生にしては、かなり過激なパリでの冒険だったし、生きるってことに絶望もしかけたけど、少年はもう一度生きてみようと思う。

新星、ポール・キルシェは見逃せない。
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