今日の試写会はフランス映画『Winter boy』 。
大好きだった父親の死を受け止められずに苦しむ、少年の不安定な心の日々を描いた作品だが、これは監督のクリストフ・オノレの自伝的作品だ。
極端なアップを多用する。スクリーンがほぼ顔で埋まるほど。
また台詞もあるのに、主人公の気持ちを伝えるのにモノローグをボイスオーバーで重ねる。
主人公を演じたポール・キルシェくんは新しいスターになるだろう。矛盾を抱えたナイーブ過ぎる少年の役を圧倒的な存在感で演じた。
すぐキレるけど泣き虫で、LGBTQだけど「愛」はまだわからず「憧れ」だけで、SEXへの興味は我慢できない、美しすぎる少年リュカ。
ポスターの少年の顔を見て、どこかで見たような気がしていたが、なんと母親が『トリコロール/赤の愛』のイレーヌ・ジャコブ! そっくりじゃない?
母親役は名女優のジュリエット・ビノシュ。
父親は、なんとクリストフ・オノレ監督自身が演じている。
高校生にしては、かなり過激なパリでの冒険だったし、生きるってことに絶望もしかけたけど、少年はもう一度生きてみようと思う。
新星、ポール・キルシェは見逃せない。