岩嵜修平

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

3.8
ビートルズもストーンズもマイケルもプリンスも、現代のポップミュージシャンのほとんどが彼の影響下にあるにも関わらず、日本で音楽ファン以外には認知度が低い「ロックンロールの創造主」は、ゲイでクイアの黒人だったという事実を万人が知るべき。

流れるのは、聴いたことがある曲ばかりで、あれもこれも元はリトル・リチャードだったのか…!という驚きと、他のどのカバーよりも本人のパフォーマンスの方が良いという感動。それもそのはず、彼の曲には人生そのものが表れている。生まれた時から居場所がなかった彼の、唯一の居場所としての音楽。

臼井ミトンさんと高橋芳朗さんの公開記念トークイベントで、様々な曲とリトル・リチャードの曲を比較しながら解説されていたけど、それこそ血液レベルで彼の曲のエッセンスが、あらゆる曲に溶け込んでいる。ピアノの演奏や歌唱法、ライブの盛り上げ方なども、後進への影響が。まさに音楽の神の物語。
岩嵜修平

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