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枯れ葉のhirobeyのネタバレレビュー・内容・結末

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

初のアキ・カウリスマキ監督作品。

場所はフィンランドの首都ヘルシンキ。偶然出会った男女のラブストーリー。あまり台詞も多くなく、役者の表情も喜怒哀楽は乏しいのは、監督独特の演出のようだ。シンプルなストーリーなのだが、所々癖があるというか可笑しさも混じっている。

携帯電話はあるが電話機能のみ。カラオケも、曲目の書いてある本から選曲するスタイル。日本での昭和から平成初期の時代を感じるのに、ラジオからはロシアとウクライナの戦争のニュースばかりが流れているという状況。

冒頭のラジオから流れてきた曲の中に、一瞬、赤い鳥のヒットソング"竹田の子守唄"が流れてきたのにはビックリした。

スーパーのバイトやリサイクル工場を首になったり、アパートの電気を止められたりとなかなか厳しめなエピソードが続く。生活そのものはとてもシンプルで、福祉国家フィンランドを垣間見た感じがする。

新しい仕事をちゃんと見つけたり、野良犬を保護したりと彼女の芯の強さと優しさが伝わる。アル中の彼も、一念発起して酒を断ったりする真面目さがある。不器用な男女の微笑ましい愛の物語。
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