引退宣言から6年、しれっと復活してくれたアキ・カウリスマキ監督。
いつも通り最低限のセリフ、ほぼ無表情な登場人物のまなざしや微細な表情の変化、ミニマルなインテリア、散りばめられた可笑しみ要素。
ラジオから流れるウクライナ情勢で現実に引き戻されつつ、孤独を抱える二人の素敵なラブストーリーでした。
主役の二人がいい!ユッシ・ヴァタネン演じるアル中男ホラッパと、『TOVE/トーベ』で主演を演じたアルマ・ポウスティ演じるアンサ。特にアンサの背伸び頬キスとウィンクにはやられました。
ホラッパのダチ役のヤンネ・フーティアイネンもジワる。笑
監督の盟友ジム・ジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』が出てきたり、その鑑賞客のブレッソンとゴダールの会話。笑
最高のラストシーンで明らかになるワンコの名前。
姉妹ポップ・デュオ「MAUSTETYTÖT(マウステテュトット ※意味はスパイス・ガールズ)」も、フィンランドのオラヴィ・ヴィルタという歌手によるエンディング「枯葉」♪もいい。
やっぱり最高としか言いようがないです。
公式サイトにある監督のコメントも。笑
「この映画では、我が家の神様、ブレッソン、小津、チャップリンへ、私のいささか小さな帽子を脱いでささやかな敬意を捧げてみました。しかしそれが無残にも失敗したのは全てが私の責任です。」