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落下の解剖学のNeNeのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2
サスペンスかと思ってたら法廷モノで絶妙な肩透かし。次々出てくるやらかしにモヤモヤの連続。
夫婦の仲を暴いても誰も得しないんだなぁ、と改めて思うなど。

息子に視力障害があることで、はじめは証言があやふやになってしまう。
生々しいやり取りを聴かされるから、傍聴するのを辞めたらどうかという大人たちの気遣いに、もう傷ついているから、と全てを受け入れる息子。裁判を通して両親の"夫婦"の部分を知り、視力以外の音や匂いの記憶で自ら正しさを導き出したのが痛々しくも胸が熱くなった。
息子が傍聴を続けなければ、判決は果たしてどうなったかな。

この事件が明日我が身に起こったとして、他人から見てわたしが配偶者を殺した犯人ではない証拠ってあるのかなと思ったり。

ドッグのスヌープがそれはもう尊かった。
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