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落下の解剖学のntm723のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

始まってすぐの «Palme d’Or»のかっこよさよ。
別にカンヌ信者とかではないけどさ。
詳細はよく知らないまま観に行ったけど、なかなか見応えあったし私はすごく好みの作品やった。
ただ合う合わないはあるかな。
残虐な事件を扱ってるとかではなく、登場人物も少なく、非常に限られた空間での出来事を描いてるだけなのに上映時間は長めなので。

まず脚本がよくできてるし、映画としての見せ方も面白い。
俳優陣の演技は上手い!とか思わせないぐらいに自然で、各人物の心情とか行動に納得感があった。
あのワンコ、凄すぎひん?あれほんまにやったん?愛護団体からクレーム来るんちゃう?
サンドラ・ヒュラーもダニエル役の少年も皆何かしら賞をあげたい🏆(←誰やねん)
あと絶妙な原題に英題も邦題も一致させたのが良かったよね。
劇中、英語と仏語が入り乱れて頭の体操みたいやった。もちろんがっつり字幕読んでるけど、もしかしてこれも狙い?


法廷では事実かどうかは関係ない。
被告人が有罪か無罪かを決める場でそれって、、となるけど仕方がない面もある。
私が観たフランスの法廷モノはなぜか検察側に嫌悪感を抱くケースが多いのは偶然なのか。
サンドラが小説家ってのも作用してて面白い。

疑わしきは罰せずの理論は理不尽な結果を生む場合もあるけど、この事件においてはこれに尽きるのかな。
真相は明らかにはならないものの、もし有罪ならある程度計画性があるってことになるだろうし、怪しまれるようなものは隠滅できたはずで、何かしら決定的な証拠が出てもおかしくない気がする。

事件現場から色々推測しながらサスペンス見るのが好きなので、非常に楽しめた。今年一かな。
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