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落下の解剖学のgagashoのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.2
不穏なアフリカ音楽の爆音から始まる、夫サミュエル転落事件へのプレリュード…

まもなく、長時間の法廷ドラマ、会話劇が幕を開けます。2時間半、息を詰めて、「で、結局真相は?誰がやったの?」と真実の解明を今か今かと待ち続けた私。新しい証言が出てくるたびに、その人がこうだと決めつけている「ストーリー」がさもあり得たかも…な真相のようにあっちにフラフラ、こっちにフラフラ、証人の数だけ彼/彼女の信じる「真実」が生まれ、傍聴人と一緒に激しく揺り動かされます。
が、最後のほう、うろ覚えなんだけども、息子のダニエルだか被疑者のサンドラが息子に余計な発言をしないよう見張っていた女性だかが、真実がどうだったかは誰にも分かりようがない。だから、自分で選んでこれと決めるしかないんだ、というような台詞を言っていて、ハッとさせられた。
それを投げつけてくるような、ある意味モヤッとしたエンディング。人によって好き嫌いははっきり分かれるかもね。

言葉のナイフを振り回し合うような激しい夫婦の口論、そしてそれを大音量で法廷の第三者及び息子にまで聞かれるシーンがいちばん精神摩耗したわ…。
そんで、一定数、犬が辛い目に合うと点数下げてくる人たちがいるのも謎。
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