苦手なタイプかもと思いつつ行ったけどかなり良かったー。水曜日に観た『パリ・ブレスト』同様、一応軸となるストーリーはあるものの存在感の比重は料理を作るシーンとそれを食べるシーンに置かれている。
調理中も食事中も、自然音がとてもはっきり聞こえる不思議な演出。野鳥の声、虫の羽音、暖炉の薪がパチパチ言う音。このキッチンが自然に近い場所だと示しているんだろうか。
音といえばドランが料理するシーンでは彼の息遣いが大きめに聞こえてきて、性行為を想起させられてる気がした。実はベッドシーツのない本作。でも、代わりに結構エロチックなシーンがあったな。
ドランのしごと仲間の美食家のおじさんたちがなんだか可愛らしい。
かなり序盤で「皇太子の晩餐のレシピを開発する」という主人公たちの目的が提示され、そこを目指すストーリーなのかと思いきや、その目的はどこかに行ってしまう。あの話どこ行ったん?!と突っ込みたくなったが、そんなことは気にならないくらい味のあるエピローグでした。