いっちーすくらっちー

PERFECT DAYSのいっちーすくらっちーのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.4
ヴィム・ヴェンダースのオリエンタリズムゆえの問題作。
この作品に現れるさまざまな隠蔽(差別、貧困などの隠蔽)は監督が自ら意図したものではない。
この作品は、監督がイメージする日本像、美化されたその姿の具現化にほかならない。
しかし、それらがあまりに脚色された美化ゆえに我々は描かれていない真実にばかりついつい目がいってしまう。
つまり、描かれていないものばかりに目がいく日本人の視線の向け方そのものへの批判を、あまりに綺麗で表面的な生活を淡々と盗撮することで批判することに成功している。
我々は構造主義的欺瞞に際してもがき苦しんでいる。構造を変えなければいけない、それはわかっているしかし何をすればいい。
そうした最中にこの男を見る時なんらかのカタルシスが我々に訪れる。昼まで寝ている我々に。問題作だ。
Rejoice!