みーちゃん

PERFECT DAYSのみーちゃんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
観た後、何とも言えない気持ちになった。ラストは彼と同じ表情になっていた。スクリーンに投影される世界観と自分との間に少し距離を置きながら見ていたつもりだったが、いつの間にか深く共感していることに気づかされた。

(TTTプロジェクトや映画製作の背景はさておき)、これはトイレの清掃員のお話ではなく、主人公はたくさん持っている中から、トイレの清掃員の暮らしを選択した人だった。

クスッと笑えたり、少し嬉しかったり、心が平穏で満たされているはずなのに、なんだか切なくて、情けなくて、涙が出そうになるのは何故だろう。自分の感情も、住む世界も、価値や評価や幸福も、決定権を持つのは他の誰でもない。自分でいいんだな?自分しかないんだな?それが人生なのか。

※カセットテープの音楽はどれもセンスが良く、特に、唯一日本の曲である金延 幸子の"青い魚"はインパクトがあった。初めて聴いたが印象的で、1972年リリースと知り驚いた。細野晴臣プロデュース、なるほど。