Keizysoze

PERFECT DAYSのKeizysozeのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
*
【1ページ作品レビュー🎞挿入歌付き🎵】
—パーフェクトデイズ Perfect Days—
★★★★★ 4.5点※今年最高点🌟
その他の映画レビューは @keizy_soze

#2023年製作
#2023年映画メモ
#映画館 で鑑賞

—————————————————————
★4.5以上 殿堂入り。人生変える名作
★4.0以上 人生で価値や影響を得られる傑作
★3.5以上 質高く万人が楽しめる秀作
★3.0以上 視野広がるが一度観たら十分な佳作
★3.0未満 観る価値無し。時間泥棒な駄作
————————————————————


【こんどはこんど いまはいま】

2023年末にして素晴らしい映画に出会った🎞️👏。

人生とは筋書きのないドラマ。
その一人の日本人のスナップショットを
無駄な誇張・演出無く、外国人の監督がここまで
リアリティーに表現できることに
心から敬意を表したい。

【あらすじ】
東京渋谷の公衆トイレリノベーションプロジェクト
THE TOKYO TOILET の専門清掃員として働く平山は
スカイツリーが見える古アパートで一人暮らし。

完璧主義でいつも規則正しい日々を送っている。

————————————————————-

早朝、近所の竹ぼうきの音で目を覚まし
布団を部屋の隅に畳み、
昨夜寝落ちる前に読んでいた文庫本の区切りを確認して
歯を磨き髭を剃りハサミで髭を整える。

趣味と思われる苗木に水をやり、
玄関にある棚に並べられた貴重品を順番にとって
ドアをあけて空を眺める。

駐車場の自動販売機から缶コーヒー(BOSS!)を買い
青い軽に乗り込む。出発前に一気に喉に流し込み、
車と共に自分にもエンジンをかける。
そして出発の音楽をカセットテープから選んで
笑顔で仕事へ向かう。

晴れた日の昼食は決まって神社の境内のベンチへ。
コンビニのサンドイッチと牛乳を頬張り
木々から射し込む木漏れ日を眺めながら
フィルムカメラで感覚的に写真を撮る。

仕事を終え帰宅すると自転車に乗り換え、
開店と同時に銭湯へ。

帰りはいつもの居酒屋でハイレモンで晩酌し
帰宅後は寝落ちするまで本を読む。

そして翌朝、近所の竹ぼうきの音で目を覚ます。

————————————————————-

彼が過ごす日々は一見同じことの繰り返しだが
周りの愉快な人々や出来事に振り回されながら
少しずつ彼の日常も変化していく。

同じ日はひとつもないかのように。
彼は日々小さな幸せをかみしめて生きている。

【みどころ】

何故私は号泣したのだろうか。

ただ一人の寡黙な男の生活を
俯瞰的に垣間見てるだけなのに。

もうはじめからやばかった。

そして挿入歌でルーリードのPerfect Daysが流れた時は
もう涙が止まらなかった。

ひとつ言えるのは、
彼は“善い人”だということだ。

寡黙な中にも自分の信念やルールがあり決して曲げない。
出会う人々の良い所を見つけ出し、心の中で讃える。
木々と陽の光が織りなす木漏れ日に感動し
日々の暮らしに感謝の気持ちを持って生きている。

最近成功と幸せの定義について学ぶ機会があった。

『成功』は目に見える客観的なもの
『幸せ』は目に見えない主観的なもの

人生を豊かにするためには
まずは二つをきちんと分ける

その上で我々が最初に目指すべきはどちらか。

平山は周りから嘲笑され、なんと見られようとも
小さな幸せを常に探し出して自分に昇華できていた。

つまり彼は常に”幸せ”だった。

そして幸せは伝染する。
彼の周りはユニークな人達が多いが、
みな平山と良い距離の関係を築いているし
出会ってた人もどこか嬉しそうだ。

これが彼とって完璧な日の連続。

This is Perfect DAYS.

本作は誰もが日常から幸せを感じれる事を
静かに教えてくれる。

作品の中の木漏れ日を感じに
是非映画館の暗闇の大画面から観てほしい
と心から思う。

役所広司は本当に平山だった。

カンヌで19年振りの日本人最優秀男優賞を獲った
最高の“自然体”を見届けてほしい。

ラストの顔だけ長回しは本当にすごかったよ。
Keizysoze

Keizysoze