あじさい

テノール! 人生はハーモニーのあじさいのレビュー・感想・評価

3.5
現代オペラだと思ってみる

歌唱シーンがよかったから全てよし。
あらすじは突飛だけど展開は手堅い。内面や心の動きも日本人の自分だと唐突に感じるところもあったけどオペラだと思えばそういうものかという気にもなる。
事実として人間社会は下流もあれば上流もある。社会でなんとなくある空気がある。人間、人種、仕事、音楽。対比が繰り返される中でそこを行き交う主人公。

ラストの場面。
王子だけど流浪の身のカラフは王女トゥーランドットに心奪われて、勝負に勝ち、彼女を手に入れる。主人公もラップの実力があり、その界隈では認められてるけどクラシック音楽界では最底辺。それでもクラシック音楽の魅力にはまり周りを納得させる。
最後に「誰も寝てはならぬ」が歌われたのは、主人公はその後もなんとかやっていくのだろうとこちらに思わせるためだと思いたい。
あじさい

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